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Kajka (カイカ)についてみんなが知らない10のこと

 

丈夫なVinylon素材と繊細なディテールが特徴のKajka(カイカ)は、一見すると控えめなトレッキング用バックパックに見えます。しかし、詳しく内部を見ていくと(できればメインコンパートメントの前面をフルオープンに)、革新的な機能が搭載された一歩先を行くアイテムであることに気付くはずです。
使用している木製フレームは、アルミ製フレームに比べ、二酸化炭素排出量を大幅に抑えることができます。
見た目だけでは判断出来ないことがポイントであると、デザイナーのヘンリック・アンダーソンが教えてくれました。

 

 

2006年、ヘンリック・アンダーソン(フェールラーベンのグローバル・クリエイティブ・ディレクター)は、ルンド大学のデザイン科の修士課程に在籍していました。ボードスポーツをこよなく愛する彼は、自然の中にいる時が何より幸せで、サステナビリティにも関心がありました。そんな自分の興味を学びに活かしたいと思っていたので、修士論文のテーマをアウトドアに関することにしたのは必然でしたが、実際の現場で起きていたことは彼をがっかりさせました。

 

「当時のアウトドア用品のデザインはとても過剰でした。その当時の私のゴールは”ハイテク”にすることではあったのですが、すべてのストラップ、
バックル、色使いはやりすぎだと感じました。もし2006年に作られたバックパックを見ると、2006年のものだとすぐわかるほどでした」。

 

ヘンリックは当時のデザインチームに電話をして、自分のコンセプトは、40リットルのトレッキングや旅行に適した小型バックパックであることを伝えました。

 

「子供の頃からKankenを持っていて、フェールラーベンと共に大きくなったといっても過言ではありません」と彼は振り返ります。「デザイン科の学生だった私は、このブランドのシンプルさに惹かれていました。しかし、実際のバックパックには改善の余地がありました。シンプルさが欠けていて、
もっとフェールラーベンらしくできるはずだと思いました」。

 

フェールラーベンの創業者であるオッケ・ノルディンは、彼のプロジェクトテーマに賛同し支援することを決めました。
ただし、小型ではなく、大型トレッキングバッグをデザインすることを条件としました。
同時に、トレッキングにも旅行にも使える多様性のあるものを作るようにリクエストしました。

 

フェールラーベンの転機

 

フェールラーベンにコンタクトを取った時、ヘンリックは製品開発に直接関わることを切望していました。
彼のその願いは実現し、新製品を開発するためのアイデアスケッチから、コンセプトの立案、製造に至るまでの一連の業務を実際に体感することになりました。

 

「数多くの立案をし、たくさんのプロトタイプを作ったことは、当時の私にとって信じられないようなことでした。
一つの製品を作るのにどれだけの時間がかかるかを学びましたが、私のようなせっかちな学生には、待つことも一つのチャレンジでした。
卒業に必要なサンプルが欲しいだけなのに、と思うこともありましたが、最終製品はそれだけの価値があるものでした」。

 

 

 

また、それはフェールラーベンにとっても重要な転機となりました。
このプロジェクトの結果、ヘンリックはフェールラーベンに採用されたのです。
2007年にハードウェア製品開発者としてチームに加わり、それ以来ずっとチームの一員です。
その後は、ハードウェア・マネージャーを経て、イノベーション&デザイン部門を統括するようになりました。
現在は、グローバル・クリエイティブ・ディレクターとして活躍しています。

 

 

Henrik Andersson, Fjällräven Global Creative Director.
 

 

革新的なバックパック

 

ヘンリックが私たちに電話をかけてきてから約2年後の2008年、Kajkaはローンチされました。
クラシックな雰囲気をまとったトレッキング用のテクニカルバックパックで、快適に重い荷物を長時間背負うのにパーフェクトな機能を備えていました。

 

この重い荷物を運ぶ高い機能性にちなんで、ヘンリックはこのバックパックを素直に”Kajka”と名付けました。

 

Kankenと同様、スウェーデン語ではKajkaも何かを運ぶことを意味します。曖昧であまり使われない言葉ではありますが、難しい発音もなく誰でも簡単に言うことができます。このバックパックと同じようにとてもシンプルな言葉です。

 

Kajkaは、”ありのまま “の見た目とは裏腹に、業界をリードする革新的な特徴を持っていました。

 

収納は使いやすさが追及されています。メインコンパートメントは、上部だけでなく前面からも開閉でき、下部から荷物を入れる旅行者や
ビギナートレッカーでも簡単に荷物を見つけることができるようにしました。
上蓋は取り外して、チェストストラップに取り付け可能で、簡単に必需品やおやつを取り出せます。
また、ヒップサックやショルダーバッグとして使用することもできます。
ヘンリックが愛するボードスポーツのために、濡れたり汚れたりした衣類を収納するための独立したボトムコンパートメントを用意しました。
内側にはメッシュレイヤーが施されていて、ボトムコンパートメントを開けて乾燥させることができます。

 


 

Kajka 35
 

 

パーフェクトフィット アジャストメント システムにより、背中の長さや肩幅の違いに合わせて、素早く簡単に調整することができます。
また、両サイドのコンプレッションストラップでトレッキングポールを簡単に固定することができます。
これは当時としては革新的なことでした。他のバックパックでは外付けのストラップを多用したものですが、Kajkaは2本のストラップだけで固定できました。

 

最後に、Kajkaの「ノンデザイン・デザイン」は、このマーケットにおいてまったく新しいものでした。
アウトドア用品が、過剰なデザインが主流で、流行に左右されやすい時代に、Kajkaのシンプルな構造、すっきりとした見た目、信頼性の高い
Vinylon素材、クラシックなカラーは時代を超えて愛されるものでした。

 

「誰もがどこかで自然の中に身を置くことがあると思います」とヘンリックは言います。
「トレッキングが初めてなら、Kajkaの使いやすさでトレッキングの敷居は低くなり、経験が豊富であれば、その機能性に感動してもらえるはずです。
一目見ただけで、Kajkaが長く使えることがわかり、長く使ってもらうことがフェールラーベンの喜びです」。

 

 

 

Kajka(カイカ)についてみんなが(おそらく)知らない10のこと

 

1:修士論文から生まれたバックパックだった。
2:当初は40Lのトラベルバックパックを想定していた。
3:デザイナーのヘンリック・アンダーソンは、現在フェールラーベンのグローバル・ブランド・ディレクターである。
4:「kajka」とは、スウェーデン語で「運ぶ」を意味する言葉である。
5:フェールラーベン初の前面開閉式トレッキングバックパックである。
6:コンプレッションシステムは、販売当初は世界初のシステムだった。
7: 木製フレームのカーボンフットプリントは、アルミニウムフレームよりもかなり低い。
8: 世界中で20万個以上売れている。
9:受賞歴のある製品である。
10:その「ノンデザイン」のデザインは、アウトドア業界に新風を吹き込んだ。